マングローブの森へ |
2日目は、今回イチバン楽しみにしていた「西表島ツアー」です。
西表島は石垣島から高速船で約40分。
沖縄県では、沖縄本島に次ぐ面積(東京23区の半分くらい)を持ちますが、その90%は
亜熱帯原生林で、海岸沿いにわずか2000人が住んでいるぐらい。
ご存知 『イリオモテヤマネコ』 や 『カンムリワシ』 など希少生物が多く、”東洋のガラパコス”
とも言われています。
島の北側の大原港に着くと、こんな看板がありました。
西表島に来る人は、ヤマネコに会えると思ってくる人が結構いるらしいですが、生息数は
100頭と言われ、そうそう出会える物ではありません。
また、人里近くに出てきても、交通事故に遭う時もあり、島内の野生生物センターで
保護されている子もいます。 みなさん、気をつけましょう。
港から浦内川に移動して、ボートに乗って川を上っていきます。
これが河口付近。 結構川幅はあります。
川を上っていくと、さっそくマングローブ特有の植物が見えてきます。
「マングローブ」というのは、熱帯や亜熱帯地域で、海水と淡水の入り混じる環境に生息する
植物の総称で、固有の植物を指すわけではありません。 (「高山植物」みたいなもの)
写真は『ヒルギ』。
水面からタコ足状に出ているのは幹ではなく「根っ子」です。
これは陸地と違って、海水の中の土では根が呼吸が出来ないため外に出たのだそうです。
なんとも不思議・・・
乗る時は降ってなかったのが、イキナリ雨がザーッと降ってきて、また台風の影響かな?と
思いましたが、ガイドさん曰く 「このくらいの雨はしょっちゅうで、すぐに止みますよ」 との事。
その通りにしばらく進むと雨も上がってしまいました。
今度は何やら黄色い実が生っています。
『アダン』という植物で、パイナップルの実に似てますが、食べてもおいしくはないそうです。
それでも、昔は根を繊維代わりに使ったり、葉でパナマ帽を作ったりと、島の人々の生活には
欠かせない物だったようです。
さらに進んでいくと、だんだん川幅も狭くなっていきます。
見えてきたのは、根が板状になっている植物 『サキシマスオウノキ』。
海外では、鉄道の枕木としても使われています。
ゾウやカバは出てこないものの、こうも見慣れない植物が次々と出てくると、気分はもう
”リアル・ジャングルクルーズ”です。
ジャングルクルーズと言えば、”滝”ですが、滝はまだ遥か山の上の方で、途中 『軍艦岩』 で
船を下ります。
ここからは山道をひたすら歩いていくのですが、ガイドさん(船長)からは、「じゃぁ12時半に
ここに迎えに来ますから、遅れないで下さいね~」とアナウンス。
え?
て言う事は、1時間半で帰って来いと。
ここから滝までは、確か徒歩40分・・・
急がなきゃダメじゃん!
というわけで、少しぬかるんだ道を途中殆どわき目もふらず、滝を目指して強行軍となりました。
とは言うものの、やはり西表島。 道端にデカイ蜘蛛がいました。
これは日本最大の蜘蛛、『オオジョロウグモ』。
足まで入れると30cmくらいありました。
そして30分くらい歩いてやっと見えてきたのが、『マリユドゥの滝』。
展望台からの眺めです。
「マリユドゥ」というのは、”まるい淀み”という意味で、その名の通り円弧を描いて、
水が落ちていきます。
また、本来は滝の近くまで降りる道があるのですが、誤って滝に落ちる人がいるらしく、
今は通行止めになっていました。
近づくと、こんな感じなのでしょうか。
16mの落差は、なかなか豪快です。
予定より少し早めのペースでたどり着いたので、ここで少し息を整えます。
そして、更に奥に5分ほど進むと、もうひとつの滝、『カンビレーの滝』が見えてきます。
「カンビレー」は、”神様の座る場所”という意味で、その昔八重山の神々が集まったのだ
そうです。
普通の滝に比べると落差が小さいので、確かに座り心地は良さそうですね。
ここは比較的安全なので、滝に近づいてもOKです。
あとはまた来た道を引き返し、無事集合時間までに船着場に着く事が出来ました。
帰りの船からは、カヌーで川下りをしてる人達とすれ違いました。
なんだかとても楽しそうです。
ちょっと慌しかったですが、本州では普段は絶対に見る事のない植物や、原生林そのままの
山を体験できて良かったです。
日本にもまだまだ知らない場所がありますね。
今度来る時は、個別のガイドをつけてもらって、もう少しゆっくりと歩いて見て回ろうと思います。
カヌーも乗ってみたいな。
滝の次は由布島へ・・・